Leaven：醗酵素、レヴン、酵母など。（Yeast：酵母菌、パン種。　Germ：菌）
Manure：肥料。（Fertilizer：化学系肥料、Chemical manure）
Rice Bran：米ぬか、ライスブラン。
Rape Oil Cake：［植］ナタネ油粕。（Rape seed oil cake：★単語注意！）
Actinomyces：放線菌。（キチン、キトサンを分解して抗生物質を分泌）

気まぐれで買った土壌微生物調整剤が大量にあるので、少しだけ使い、本を片手に、いつもは買って使っているボカシ肥を試しに作ってみることにしました。
バラ用にリン成分を豊富にしたくて骨粉入れるので、古土も混ぜて作ることにしました。骨粉の醗酵のときに出る強い臭いを消して醗酵の勢いが和らぐそうです。

◆よかったこと：狭いベランダの趣味の園芸での作業の限界を確信。
◆悪かったこと：狭いベランダ作業ではもてあました。面倒。作ってるうちにだんだん量が増えてきて、最後はなんか扱いが大変。・・・醗酵の勢いって物凄い。

米ヌカと水を入れて混ぜてるとき、子供のころ飼葉桶で牛に食べさせてあげたフスマ入りの飼葉（カイバ）を混ぜるときの匂いがして、なつかしかった。
天然土壌微生物はボカシ肥には固まりで入っているので、市販の一袋数百円のが便利でいいと思う。来年からはまた、お店でボカシ肥を買ってきます。

■さっさと結論を見たければこちらへどうぞ！
（ページ作成日：Sun.Feb.11.2001　最終更新日：Sun.March.04.2001）

■普通に買ってきたボカシ肥と完熟堆肥、緩やかな化学肥料を最初から静かに与えてればいい。カニガラは大切に与えるといい。これが結論。あせって微生物資材を買ったりしたけど、微生物は結局は空中のマンションベランダにもたくさんいたみたい。

■ほしかった放線菌いっぱいのボカシ肥、大量にできたぁ・・・うれしい。でも、マンション前の桜並木道の桜にまいていったら、隣街にたどりついちゃいました。今年は花咲か兄ちゃんです。人家の前にない桜の木は育ちが悪いのに気付きました。

■無事成功してほっとしたボカシ肥作り。容器で醗酵させたら醗酵熱がこもって熱くなった（４５℃の熱いお風呂程度）。冬だから虫もつかず、仕込んで１週間したら熱くなり、毎日かき混ぜて１週間で醗酵静まったゆっくりした醗酵変化だったけど、春や夏に作ると虫や醗酵変化急激で管理大変だと思う。新聞紙敷いたダンボールはお奨め。

　→バラ植える前に、土に有機物を混ぜたら２週間待てという意味が理解できました。

■とっても負担だったボカシ肥作り。素人の趣味の園芸の僕には。微生物会社の人に電話で奨められ、本にもベランダや玄関わきで、って書いてあったから、一度経験してみたかっただけ。もちろん来年からはやらない。ボカシ玉肥を買って済ませます。

■健康な土にするのが目的で善玉微生物入れたいなら、ボカシ肥＋有機肥料を使えばよい。ぼかし肥は土壌微生物菌の固まり。市販の醗酵微生物資材（ＥＭ菌、バイムフード、オーレス菌など）は安心するけど、実は僕達の家の空気中にも休眠の善玉微生物菌がふわふわ浮遊しててボカシ肥作りで取り込める。しかもその地方土着の土壌微生物の方が強力ですぐ主役交代なんて・・・。

■放線菌って、土壌微生物では、抗生物質を分泌して悪玉菌を抑え、カニガラに含まれるキチン質やキトサンが大好物で知られる善玉菌。土にカニガラをまいておくといい、とか、培養土にキチン質がはいっているので病気に強い、ってのはこれだったんだ。

　放線菌って、土、川、海、空中どこにでもいて、抗生物質を分泌してる菌。ストレプトマイシン始め多くの重要な抗生物質は、カビ真菌やバクテリア細菌じゃなくてこの放線菌仲間の培養液からとれる。ネットで検索したら農業だけじゃなく、人間、動物医療関係の学会系サイトとか放線菌図鑑とか、ものすごくたくさん出てきてびっくりした。

■米ぬかは微生物の大好物。ぬかみそもこれが材料。値段安くっていい。リン酸成分と糖分が多いから微生物の餌になって微生物がよく繁殖するのでボカシ肥の主材料。生のままでは醗酵で発熱して植物が傷む。肥料になるのは微生物が食べて醗酵したあと。

■多孔質粒には、好気性で植物に有益な善玉微生物が住みつきよく繁殖する。
くん炭はモミガラの蒸し焼きでできた多孔質炭で、リン酸、カリが豊富、ミネラルも豊富なので推奨されている。ぼくはこの代わりに、都会で入手しやすい多孔質粒で表面の珪素が水腐れを防止するパーライトを使うことにします。

■水のやりすぎは悪玉菌を繁殖させてしまい、ボカシ肥作りを失敗する原因。
水でベチャベチャにすると酸素不足で悪玉菌が高温に醗酵し失敗、クレゾールのような化学的悪臭がする（母がたまに失敗してた、くさったヌカ味噌漬けの変な臭い）。植物に有益な微生物は好気性菌、植物病原性微生物は嫌気性菌が多い。

■有機堆肥の施肥は善玉微生物なしでは逆効果。
悪玉の植物病原性カビ菌の繁殖して生育の悪い土地にそのまま施し、植物病原性菌、悪玉微生物を大繁殖させて野菜を壊滅させた失敗体験本を読んだ。土壌微生物を改善させるボカシ肥＆有機堆肥＋緩かに効く化学肥料のミックスで育てると一番いい、って。

→　ぼくも偶然やっていたやり方です (^_^)。僕の場合は、乾燥牛糞の有機堆肥と多孔質のパーライトを混ぜ込んで植え替えてから、ボカシ玉肥を置いて、シーズンに入ったら超薄い化学液肥も水代わりにときどきやっていた。

■肥料のやりすぎは土に負担：
ボカシ肥も１平方ｍあたり限度がある。１０号鉢では１平方ｍの１、２割だから、軽く２つかみ、６０〜７０ｇが鉢の土の受け入れられる限界。固めた玉肥で施すと先に住んでいる悪玉微生物の攻撃を集団ではね返す。しばらくしてボカシ玉肥をめくると、裏に菌糸が白く繁殖しているのが、善玉微生物菌の繁殖している証拠。

→生育途中にドサッと追肥が多すぎると、土がアンバランスになって、→虫が集まって病気出て、→消毒して殺虫して、・・・もう大変です！

■化学肥料と有機肥料：
化学肥料は昔から、焼畑農業も自然有機物が炎焼化学反応で灰になった化学肥料を使っている。化学肥料の過燐酸石灰も大昔の自然生物の有機物リンサンが堆積した鉱石が原料。指摘されればそうでした。有機堆肥は有益な微生物が生きるのには必要。

■日光、紫外線が苦手なボカシ肥の土壌微生物。
与えるときは薄く表土でマルチング。日に当てるといつも、ボカシ肥の下にできる真っ白な綿のような菌糸がすうっとなくなってた。ボカシ肥の醗酵の箱詰めダンボールも、通気性があって光をさえぎるように、密封しないで軽く上のフタをして覆いました。

■今回の醗酵容器には、マンションに引越して来たとき使ったダンボール箱に、新聞敷いて使ってみました。うまく成功したらここでまた報告します。通気性のいい容器に厚み１５ｃｍで入れれば、かき混ぜなくても醗酵が進んで完了する、って書いてあった。

→ＤＩＹ店の園芸コーナーで、苗入れのプラスチックトレー、店員さんに聞いたら「それは売り物じゃない！」って言われて気分悪かった。本に書いてあった保温性のいい「発泡スチロールの魚のトロ箱」は手に入らない。
でも都会じゃゴミ処分を考えると、プラスチックや発泡スチロールは迷惑品だった。

■科学的な専門のプロ園芸家やバラ園なら、植物を生物として科学的にみてるはず。植物は葉は葉面微生物、根は根圏微生物に包まれて、科学的に微生物も不可欠だと理解してるはず。ボカシ肥＋有機肥料も、もちろん緩効性化学肥料の元肥や薬剤も、ぱしっと効果的に適切に使用してる。こうじゃなきゃ科学的じゃないと思う。

■最近タイムリーな土壌微生物話題を番組で放送してたのを偶然見ました。
九州大学が自然環境を守りながらどんぐりの森の中に未来型移転する試み、ってＮＨＫ教育番組の「サイエンス・アイ」で紹介してた。

移転先の森の生態系を保存するため「林床」をそのまま使う。ものすごい作業をしていました。森の樹木や草木が植わったまま２ｍ四方の面積土地を、表面の落ち葉からその下の腐植土、さらに下の森の微生物層まで一緒に深さ数１０ｃｍの立方体ブロックでそっくり一緒に切りとって、樹木１本毎に１０人＋起重機で１日がかりで移転して一旦保存。キャンパス配置レイアウトに合わせて再び全部植え戻して、環境保全。森の下草や沼の雑草を事細かく記録して種の保存。こんなことを理学部生物学部が中心に学問的にやっていた。土を土壌微生物まで大切にしないと環境が破壊され、再生に時間かかる、って。

■本当に科学的、って土壌微生物まで配慮している。
化学肥料や殺虫殺菌剤を嫌って自然農法や有機農法だけを信奉したり、それは迷信だと過剰に批判したりする本をいろいろ見かけて、どちらにも科学的に判断できる実験データが入手できなくて僕は今まで迷ってたけど、いろいろ調べて自分で納得。

ぼくの田舎じゃあたりまえの自然環境がいいけど、雑草や虫ギライな人の住む都会に持ち込んで融和するのは難しそう。微生物や下草でいっぱいのバラ園なんてないし。

---------------------
☆この作業中に見ながら自分なりに考える参考にした本：
三井東圧肥料（株）社長（三井化学系）中島康甫さんの本
ぼかし肥と緩効性被覆肥料で３０坪（１アール）の自給菜園　農文協

元 宮崎総合農業試験場長　上村遥さんの本
図解 コンテナ園芸テクニック１０１条　農文協